お箏が初めての方へ

 

お箏が初めての方へ

お箏が初めての方へ 

 

 

お箏をやってみたいという思いはあるけれど、「楽器って高いのかな?」「家が狭いけれど、楽器を置くスペースがないのでは?」などといった不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。当教室では、箏と関わるための第一歩、楽器の買い方や道具の揃え方、扱い方などから丁寧にご指導させて頂きます。こちらサイトでお伝えできるのはほんの一部の情報にすぎませんが、お箏を始めてみたい方、是非参考になさってみてください。 

 

 

Q1 お箏はお家で場所を取ってしまうのでは?

 

まず、お箏は立てかけておくことができますので、練習していない時は邪魔にならないように収納することができます。

 

お箏は立奏といって椅子に座って演奏するスタイルと、座奏といって正座して演奏するスタイルの2種類がありますが、これはご自身のご希望やお部屋の状態などによって決めるといいでしょう。畳の部屋で練習するのであれば、座奏でやってもよいでしょうし、正座が苦手であれば、椅子に座ってやることをお勧めします。

 

立奏の場合、立奏台というものに箏を乗せて演奏するのですが、この立奏台も組み立て式の物と、置くだけで使えるスタンド式の物とがあり、普段箏を立てかけてしまっておくのであれば、スタンドのタイプのものを使用するとしまうのが楽です。このタイプの立奏代は約2万円程度です。

 

 

Q2 箏を始めるとどれくらいのお金がかかる?

 

さて、道具や楽器はいくらくらいの物を揃えたらいいのか。それは、生徒さんお一人お一人の取り組み方や、経済状況などによっても違ってきます。ですが、大体の目安として「お箏を始めるとどれくらいお金がかかるの?」ということに関してイメージを持てるようにまとめてみますね。

 

まず、ご自分の気に入った楽器を持ってお箏を長く続けたいと思っていらっしゃる方であれば、初心者の方が初めに揃える楽器としてお勧めするのは大体30万円から40万円の楽器です。

 

お箏をよい状態で使える寿命は約40〜50年と言われています。出来立ての楽器は少し音が鳴りにくいところから始まって、日々弾き込んでいくことで楽器を育てていく。そして、取り組み方にもよりますが、約20年でもっともその楽器がポテンシャルを発揮できる状態が来て、その後はだんだんと下り坂になっていく。楽器は生き物なのです。それを育て、弾き込んで自分のものにしていく過程は楽器をやる上での1つの大きな楽しみでもあります。

 

40〜50年以上経った楽器は、使えなくなるというわけではないのですが、次第に音が出すぎてしまってよい音が鳴らない状態となっていきます。

 

ですから、箏を長く続けている人は、一生のうちに2面以上の楽器を購入するという方が多いですね。それでもお箏は80歳になっても90歳になっても楽しむことのできる楽器ですから(うちの祖母は現在90歳で現役のお箏の先生をしています!)数十年楽しめるものに対して30〜40万円というのは高くないと思えるかもしれませんね!

 

何十年と続けているうちに、いろいろなことが分かってきて、音の質にもこだわるようになってきた段階で、70〜80万円程度の楽器や、100万円を超えるような楽器を購入する方もいらっしゃいます。高級な楽器としては、200万円、300万円の楽器もあります。

 


演奏家のレベルを目指す方であれば、腕が半分、楽器の質が半分、と言われるほど、楽器のクオリティーは重要になってきますから、自分がどんな音を奏でたいのかを想像しながら、より自分に合った良い楽器を選ぶための目利きも必要になってくるでしょう。

 

 

お箏は1つ1つ職人さんによって手作りで作られるものですから、木の素材や木目の出方、装飾なども含め2つとして同じものはありません。欲しいと思った時に楽器屋さんに行って、その時に出会ったものに「これだ!」と感じるかどうか。楽器との出会いはとても素晴らしいご縁でもあります。私自身が楽器屋さんに同行させて頂くこともできますし、おまかせ頂ければ代行で相応しいもの選ばせて頂きます。

 

もし、自分はお箏を始めたいけれど、長く続けられるかどうかはわからない、30万円以上の楽器を買うのは抵抗がある、という方でしたら、お稽古用の箏として15万円程度の楽器をお勧めしています。

 

15万円程度のお箏でも、練習して、上手くなっていくためには十分です。ある程度上達して、さらによい音を求めるようになってきた段階で、もう一段階上の楽器を購入することを検討してもいいでしょう。

 

もう1つの選択肢として、当教室では貸し箏制度もあります。貸し箏は数に限りがありますが、レンタル料は1ヶ月3000円〜5000円となっております。

 

 ちなみに二十五弦箏を始められたい方もいらっしゃると思いますので、参考までにその値段の目安も書いておきます。先ほども書いた通り、箏は全て一点物なので値段も質も1つ1つ異なり様々なものがありますのでここでお伝えすることができるのは参考程度の情報になります。

 

二十五弦箏は、本番用として使える楽器として7〜80万円程度から販売されていますが、二十五弦箏をされるような方は、アンサンブルを楽しむというよりもソロで人前で演奏したいと思われる方が多いでしょう。

 

たとえプロを目指すということでなくても、人前で演奏していきたいと思われる方が、一生に1つと思って買う楽器であれば、100万円〜200万円の楽器を買うことをお勧めします。

 

練習用と割り切って購入されるのであれば、複数の木を継いで作った楽器で練習用として49万円程度の楽器も作られているようですので、中途半端に安い楽器を買うのであれば、練習用の楽器を購入するのも1つの手です。その場合、ある程度上達してから良い楽器を求められるというのもいいと思います。

 

その他に箏を始める際に用意する必要があるものは琴柱や譜面台、調弦に使うチューナー、琴爪、立奏台(もしくは琴台)です。琴柱は楽器を購入する場合には楽器の代金に含まれている場合もあります。琴爪は一人一人に合わせたものを購入して作ります。当教室でお勧めしているものは15000円程度のものですが、小学生であれば4〜5000円のもので始めることが多いです。コストをなるべく抑えたい方は、5000円程度のもので始めることもできます。

 

その他、楽器のメンテナンス代、特に弦の張り替えに1万円〜1万5千円程度かかります。これは、練習の頻度にもよりますが、半年に1度〜数年に1度程度が目安です。その他、演奏会に出演する際には、その演奏会の会場や規模にもよりますが、1万円〜5万円程度かかることが通常です。内輪の勉強会程度の会でしたら、参加費は5000円程度でしょうか。

 

当教室では年に約2回の舞台での発表会と年に1回の内輪での演奏勉強会を計画しています。

 

 

Q3 箏は持ち運びが大変なのでは?

 

時々お箏のレッスンに自分の楽器を持参する必要があるのですか?という質問を受けます。通常のお箏のレッスンでは先生のうちにある楽器を使いますのでレッスンに楽器を持っていく必要はありません。

 集まって大人数で合奏をするときや、演奏会などで自分の楽器を使用するときには、車で運搬することが多いです。箏は専用のカバーも一緒に購入すると思いますので、そのカバーに包んだ上で車に乗せることができます。

 

通常の乗用車であれば、箏を載せられないということはほとんどありません。後ろがあく車で後部座席が倒せるタイプの車であれば、後ろから箏を入れて助手席と運転席の間に差し込むようにして入れます。後部座席が倒れないタイプの車でしたら、助手席を最大にリクライニングさせることで助手席の足元から頭の部分にかけて箏を入れることができます。入れる時に入れ方に少し工夫が必要ですが、ほぼ間違いなく入れることはできるでしょう。

 

車をお持ちでない方は、キャリーカートに楽器をくくりつけて転がして運ぶことをお勧めしています。キャリーカートなしで運ぶこともできますが、かなり重くて疲れてしまうと思います。ちなみに私はキャリーカートで箏を運び、電車、バス、新幹線、飛行機とあらゆる交通機関を乗りこなしています。

 

 

さて、お箏を始める際の疑問が少しは解消されましたでしょうか?

何かご質問のある方は、どんな小さなことでも構いませんので

お問い合わせフォームからご連絡をいただけたらと思います。

 

皆様の楽しいお箏ライフを無事にスタートすることができますよう

願っております。

 

小澤千絵子