ごあいさつ
ごあいさつ
〜教室リニューアルに寄せて〜
当教室、小澤千絵子箏教室は2023年2月よりMindfulness Music KOTO Studio(MFM KOTO Studio)という名前となって新しいスタートを切る運びとなりました。とはいえ、私、小澤千絵子が教えているお箏の教室である事に変わりはないのでMFM KOTO Studioは同時に小澤千絵子箏教室でもあるという、2つの名前を持つことになります。
2009年に実家である埼玉県宮代町にて箏教室を始めて以来、伝統的な日本の習い事としての箏教室とはまた違った、未来に開かれ、世界に開かれた新しい教室運営ができないものかと模索してまいりました。そのような思いから私は、先入観のない目で箏に興味を持ってくださる外国人の方々や、他ジャンルの楽器奏者の方々との出会いを大切に、彼らの視点を大きなヒントとして、箏とは一体どういう楽器なのかについて私なりの考えを深めてきました。
様々な回り道を通し、今、私は「箏は世界に誇ることのできる素晴らしい楽器である」と言うことができます。伝統楽器である十三絃の箏はもちろんですが、私が最も愛する楽器である二十五絃箏はこれから益々可能性が探究され、世界に、未来に羽ばたいていくべき素晴らしい楽器です。これらの楽器の魅力について、また、演奏し楽しんでいく方法について、多くの方にお伝えしていくことがこの教室の第一のミッションであります。
と同時に、私にとって「箏という楽器の素晴らしさをお伝えする」というだけでは何か十分ではないものを感じていました。そこに欠けているピースは「人間とは何か」という視点でした。私は学生の頃よりドイツの哲学者ルドルフ・シュタイナーの人間観を大きなヒントとして「人間とは何か」を1つの大切なテーマとして考え続けてきました。その過程で、音に耳を傾け、音楽を奏でていくこと、それに深く関わっていく事の人間にとっての重要性をますます認識するようになりました。
音楽への関わりを通し、私たちは未来を生み出す創造性を育んでいくことができます。ですから当教室でも、音楽との関わりをお伝えする教室として、音楽の人間にとっての意義や重要性を肝に銘じ、使命感を持って取り組んでいきたいと思うのです。
そんなことを考えている中で、現在私が師事しているピアニストの吉田まどか先生の教室「Mindfulness Music PIANO Studio」に出会いました。彼女の愛情あふれる先生としてのあり方に共感して、この度、同じ名前を冠して姉妹教室とさせて頂く運びとなりました。今後、姉妹教室として合同での発表会やイベントなどを行なって行けることをとても嬉しく思っています。
音楽に全身全霊で打ち込む時間は、日常の雑踏を離れ、私たちに深い気づきや癒しを与えてくれます。本当に集中して音楽に耳をすませるとき、私たちの心は音と一体化し、そうなったときにこそ見えてくる音の世界、そして、そこで体験できた喜びや様々なフィーリングが私たちに癒しや活力、様々な気づき、心の安定など様々なギフトをもたらしてくれるのです。音楽に取り組んでいく中で私たちはそういった体験を繰り返し、その中で、美しさを味わう心、健全な判断力、忍耐力、創造力が育っていきます。それはやがて、未来を力強く生み出していく力に変わっていきます。Mindfulness Musicについての詳しい説明は是非まどか先生のブログ記事→「マインドフルネスは愛」をご覧ください。
この教室に集まってくださる生徒さんがお箏に取り組んでいかれる中で、音を心から楽しみながら素晴らしい音楽体験がたくさんできるように、そして、その体験がその時だけにとどまらず、日常生活にも大きなギフトをもたらし、さらには人生全体までもを高く引き上げてくれるものに育っていけるよう願いを込め、当教室は新しいスタートを切る事をここにお伝えいたします。
2023.02.04 小澤千絵子